お知らせ
周南地区のブッポウソウ写真撮影の自粛について
ブッポウソウは環境省レッドリストでは絶滅危惧TB類、山口県レッドリストでは絶滅危惧TA類に
指定されています。県支部においても2005年から巣箱架けによる保護活動を始め、山口県内から姿を消した
ブッポウソウが再び周南市に飛来し、2007年には巣箱での繁殖が確認され、その後、順調に繁殖個体数が増え
つつありましたが、2016年頃からブッポウソウの写真を撮るアマチュアカメラマンの影響により、繁殖をやめる
ペアが増え始めるなど保護活動に悪影響が出はじめた為、支部報やマスコミ(新聞)掲載にて撮影の自粛を求め、
保護活動への協力をお願いしてきました。
その後はブッポウソウを撮影するカメラマンの数も一時的に減りましたが、数年前から繁殖行動中の
ブッポウソウを頻繁に撮影に来られる人が増え始め、今年は一昨年(全盛期)の約半数の巣箱で繁殖放棄を
するペアが現れています。今回の撮影による繁殖放棄は非常に深刻で、前回
(2016年〜2017年)の時は、放棄された巣箱でも後半になって再営巣するペアや、翌年に再び利用されることもあり、
巣箱利用数自体には極端な減少がなく、なんとか繁殖地を維持できたのですが、今回の繁殖放棄ではそれが殆ど
見られません。
主にこの保護活動を担当されている立野幹事さんは、「このペースだとあと2年程で
繁殖地が消滅してしまうほどのスピードです」と危機感を持たれています。
周南地区のブッポウソウの保護活動は、地域の方や電柱を管理する企業からのご理解とご協力により実施できて
いる活動です。野鳥写真を撮る方も野鳥に興味をもって撮影を始められたと思いますが、繁殖の妨害になっては
元も子もありません。
現在、ブッポウソウを山口県の指定希少野生動植物種に加えるよう県に対し働きかけを行っています。このような
状況ですので、ブッポウソウの写真撮影はしばらく自粛をお願いいたします。
皆様のご理解、ご協力をよろしくお願い申し上げます。
2022年7月11日
日本野鳥の会山口県支部 支部長 原田量介